The new GLC Coupé.
ライフスタイルや使用目的でSUVかクーペで悩むところだが、どちらもオシャレなアウトドア好きには魅力的な一台。
メルセデス・ベンツのクラスネーム、GLCの3文字目、Cは、Cクラス同等の質感、仕様、仕上がりということでGLCとなっている。同様にGLAはAクラス、GLEはEクラス、GLSはSクラスといった具合に、車格を表している。
今回は、同じGLCでもタイプの違うSUVのガソリンエンジンFR(後輪駆動)と、クーペタイプのディーゼルAWD(全輪駆動)という2車種、同じGLCでもタイプ違いによる実力を垣間見るというたまらなく贅沢な時間を過ごせた。
まず、ブリリアントブルー(SUVタイプ)。クルマのボディカラーと言えば、リセールバリューも先行して、白、黒、グレーが一般的になっているようだが、このブリリアントブルーは別格で宝石のような輝きを見せる。自然の中を走るとこのブルーは、素晴らしいコントラストを発していた。
今回のいろは坂のようなワインディングも、車重をそう感じさせるような挙動はなく、回頭性も良く軽快な走りが出来た。さながらFRスポーツといった感じだ。さすがに4気筒エンジンは少しヤンチャな仕上がりに感じるが、メルセデスのジェントルな面も併せ持っている。
必要以上のスピードでのコーナーへのアプローチは、少し車高の高いこともあり、苦手な場面ではあるが、メルセデスの足回りの良さが顕著に顔を出し、ステアリングにはタイヤのグリップ感、路面のインフォメーションが伝わってくる。アライメント設定は秀逸である。少しの雪道、シャーベット状態では、リヤの滑りもコントロールを愉しめる。
オブシディアンブラック(Coupeタイプ)は4MATICたる性能が、随所に発揮され常に安定した走りが愉しめる。コンソールに並んだ、いろんなスイッチを弄って、挙動を愉しむことも出来る。「どうも、ディーゼルはなぁ…」と敬遠される事も多いのは確かだが、静粛性、馬力、燃費=経済性等々、絶対的におすすめできるユニットとして確立されている。
共にターボチャージャーで過給されるが、ガソリン(G)2ℓとディーゼル(D)2.2ℓの比較は難しい。しかし、メルセデスのDの走りは目からうろこである。室内の静粛性や振動、最近のスモール、コンパクト志向のガソリン車の高圧縮比のカリカリ音等に比べても、うるさくは感じない。
移動途中の東北道でも、ディーゼルエンジン特有のトルクバンドの広さで、走行車線でのパーシャルなアクセル開度も心地よく、ココというところでの追い越し加速は想像以上に鋭く、うまい味付けのエンジンだなぁ…と感心もする。出力はGが+14馬力 逆にトルクは、Dが+10㎏勝っており、力の出方には差がある。重量もDの方が4MATICということもあり170㎏重く、走りや操作性等にどう影響するのか気にはなったが、不整地や高速走行でのボディ全体の安定性、ゆったりとした乗り心地につながっていた。
4MATICで、試しに少しの積雪の中、ドカンとアクセルを煽ってみた。ほんの少し、タイムラグはあったものの、4輪の滑り具合をブレーキも交え、トルク調整しながら、左右にブレルことなく、車体を、前へ前へと押し進めていく。道中、転倒したビッグバイクや、立ち往生する高級車等も目にしたが、高速道路も含め、正に全輪駆動のアドバンテージを体感する事が出来た。
クーペの一番の売りはスタイリッシュなフォルム。一般的な4WDの車高の高さと、クーペの持つ流麗さ。一見アンマッチな組み合わせとも思われるが、街でも大自然にもスマートに溶け込む。最低地上高も180mm確保され、不整地でも、下回りを気にすることなく突き進める。オシャレなアウトドア好きにはお薦めだ。
GLCを愛車に!とご検討の際は、ライフスタイル、使用目的などでSUVかクーペで悩まれるハズ。実際SUVタイプに比べると、リヤラゲージルームは数値的に50ℓ程容量が少ない。スタイルを取るか?50ℓを取るか? 個人的には、50ℓを捨てて、クーペタイプを選択する。…そんな贅沢な悩みも悪くない。
スタイリッシュで、使い勝手もいい、魅力的な1台に間違いなかった。
Mercedes-Benz GLC220d 4MATIC Coupé Sports
●DOHC直列ディーゼル4気筒2,142ccターボチャージャー付 ●最高出力 :170ps/3,000~4,200rpm ●最大トルク :40.8kgf・m /1,400~2,800 rpm ●電子制御9速A/T ●全長×全幅×全高:4,735mm×1,930mm×1,605mm ●ホイールベース:2,875mm ●最低地上高:180mm ○車両本体価格:¥7,180,000- ○全走行:472km 実燃費 :14.3km/ℓ
*撮影機材及び撮影備品等+2名乗車 ・カタログ燃費:16.2km/ℓ。
いよいよ、クーペ。そして待望のディーゼル登場。
ディスタンスパイロット・ディストロニック
77GHz(中・長距離)と25GHz(短距離)の2種類のレーダーセンサーにより、先行車を認識して速度に応じた車間距離を維持。減速が必要な場合はスロットル及びブレーキを段階的に自動調整してスムーズに減速し、先行車が停止した場合は自車も停止。
アクセルを軽く踏むかクルーズコントロールレバーを引くことで再発進し、十分な車間距離が確保されている場合は設定された速度まで自動的に加速します。先行車との距離が突然縮まった場合には、警告灯と警告音で知らせます。
フルタイム四輪駆動4MATIC
9G-TRONIC(9速A/T)または7G-TRONIC PLUS(7速A/T)との組み合わせで、優れた俊敏性、快適性、環境性能を発揮する、全天候型フルタイム四輪駆動システム4MATIC。
様々な天候や路面状況下で最適なトラクションを発揮します。オンロードでは、コーナリング時や高速走行時の高い安定性を実現。スポーティなドライビングが安心して愉しめます。また、オフロードや雪道などでは、タイヤの空転や横滑りを抑制し、高い操縦性や走行安定性を確保。軽量コンパクトな設計などにより燃費向上にも貢献します。
2.2ℓ直列4気筒BlueTECエンジン
メルセデス先進のディーゼル技術であるコモンレールシステムを採用。さらに、低回転からの高トルクや素早いレスポンスをもたらすターボチャージャーなどにより、最高出力125kW(170PS)/3,000~4,200rpm、最大トルク400N・m(40.8kgf・m)/1,400~2,800rpmを発生。力強い加速と優れたドライバビリティを発揮します。また、DPF*、SCR触媒コンバーターをはじめとする排出ガス浄化装置などにより、優れた低燃費とともに世界最高水準の環境性能も実現しました。
* : DPF・・・Diesel Particulate Fillter(粒子状物質除去フィルター)の略称。
広いラゲッジスペース
フラットなフロアと広い開口部で、積みおろしがしやすく使いやすいラゲッジルームを実現しました。後席には40:20:40の分割可倒方式を採用。長尺物を積載しての4人乗車など、様々なアレンジが快適に行えます。さらに、ラゲッジルームからワンタッチで後席バックレストが倒せるEASY-PACKクイックフォールドを装備。後席バックレストをすべて倒せば1,600ℓ(VDA方式)という余裕あふれるスペースが出現します。また、セーフティネット、ラゲッジルームカバー、プライバシーガラス、アンダーフロアスペースも装備しました。