自然が育んだ碧き清流四万川の渓谷や滝を眺めながら辿り着いたのは
鎌倉時代からその名を知られた四万温泉郷。
元禄時代へ遡る、現代の湯治場 「四万温泉 積善館(せきぜんかん)」
四万川沿いに車を走らせ辿り着いた四万温泉郷。どこか懐かしさを感じる温泉街を進むと今回の目的地「四万温泉 積善館」のシンボルとも言える、真っ赤な「慶雲橋」が見えてきました。この橋を渡った先は、現存する日本最古の湯宿建築と伝えられている元禄7年に創業した趣のある本館です。その右手には白いアーチ窓が印象的な大正ロマンを感じる佇まいの「元禄の湯」の建物。和と洋とがモダンに融合した景色に目を奪われます。
ここからの景色は、「千と千尋の神隠し」の湯屋「油屋」を彷彿とさせる雰囲気です。
さて、こちら「四万温泉 積善館」は、湯治文化が今もなお息づいている「本館」、桃山様式を用いた優れたデザインと建築により国の登録文化財に指定されている「山荘」、敷地の一番高台にあり、ひときわ存在感のある老松や竹林の静寂に包まれた「佳松亭」、この3つの建物が山の傾斜にそってトンネルや階段でつながっており、それぞれ個性の違う建物をお好みに合わせ選ぶことが出来ます。今回、私たちが宿泊したのは「佳松亭」でした。エントランスの家紋を配した大きな白い暖簾が出迎えてくれました。モダンな作りのロビーで受付を済ませコンセプト客室「杜」へ。すっきりとした和モダンなインテリアでコーディネイトされたお部屋は七畳の和室とベッドスペース。正面には自然に溶け込むようにレイアウトされた露天風呂。老松の枝や庭園の樹木を借景とし、一つの絵画のような空間です。
さて、旅の疲れを癒すにはまずは温泉です。四万温泉は古文書によると天和年間(1681~1684)には、四万温泉で温泉宿があった事が記されているほど歴史ある温泉地。昔から「四万(よんまん)の病に効く」効能豊かな温泉として広く知られているほどです。
「四万温泉 積善館」には3つの館それぞれに趣向を凝らした温泉施設があります。
本館には町の重要文化財の「元禄の湯」、こちらはアーチ状の大きな窓やモダンなホール風の建築で大正ロマンの雰囲気を味わえます。山荘には2カ所の「貸切風呂・家族風呂」があり、内側から鍵をかけられるので家族風呂としてのご利用が出来ます。そして、佳松亭には大きな内風呂と新緑や紅葉を愛でながらゆっくりとした時間を過ごせる露天風呂の「杜の湯」に加え、中庭に佇む、有料予約制の貸切風呂、「積」と「善」があり、窓の外の趣きのある中庭を眺めながらプライベートな時間を過ごせます。
宿泊客はこれらそれぞれの温泉を利用することが出来るので、3つの建物の雰囲気を味わいながら湯めぐりを存分に楽しめます。
いよいよ食事の時間です。今回は秋の献立でしたが、季節によりそれぞれ山の恵みと海の恵みを堪能できる総料理長自慢の懐石料理でおもてなし頂けます。新鮮な地元野菜は勿論のこと、上州和牛などを味わい深いソースで頂きました。また、朝食でいただいた自家製のお豆腐は絶品でした。
「四万温泉 積善館」は温泉を楽しむだけでなく、様々なホスピタリティが用意されています。本館には300年以上続く積善館の歴史が分かる歴史資料館、足湯、湯上りにくつろげる休憩スペーなど、さらに山荘と佳松亭の宿泊客が利用できる「山荘ラウンジ 井筒」では、積善館や四万を詠った詩の情景をデザインモチーフに格天井は当時のまま修復されたというインテリアの中で,薬膳茶や紅茶、コーヒーなど自由に頂くことが出来ます。
「四万温泉 積善館」は、歴史的建物や文化を大切に受け継ぎ、今なお多くの方に愛され続けている、まさに「極上の休息」にふさわしいお宿でした。
四万温泉 積善館(佳松亭) インフォメーション
〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉
TEL. 0279-64-2101 / FAX. 050-3311-1160
公式ホームページ: https://www.sekizenkan.co.jp/
チェックイン15:00~18:00 / チェックアウト11:00
お車の方:中之条駅から車で25分/渋川伊香保IC→R17→R353で約39km60分
※ご宿泊先の駐車場にお越しください。
ご夕食:佳松亭の標準室、特別室、貴賓室は4名様までお部屋食、5名様以上は当館指定の場所でご用意いたします。佳松亭の五ツ星コンセプト客室は朝夕共に専用個室でご用意いたします。
朝食:お食事処・ラウンジ7:30 ~ 9:00
ご予約はTEL.0279-64-2101 /9:00~19:00